高野 修平/Shuhei Takano

高野 修平/Shuhei Takano

“自分の武器を持たないと、信頼されない”

─ 東洋船舶に入って身につけたものは?

コミュニケーション能力です。ありふれた事かもしれませんが、この会社に入ってやっぱり一番大事な能力だと強く感じました。普段やりとりするのは、オーナー企業の船主さんと、大手上場企業の船会社の方々です。企業文化も様々なので、それに合わせてアプローチの仕方も変えないといけませんが、どんな方とも対等に話せるようにならなければ、というプレッシャーは凄く感じます。言葉の選び方、話し方次第で結果は全く変わってくると実感します。

前職では長らく新規開拓営業を行っていたので、今の営業スタイルとはかなり違いますが、今の仕事はすごく奥行きがあるので、その分どんどん広げていかないとな、という気にさせられます。その為にも自分の武器をたくさん作ってお客さんから信頼されるようにならないといけないと思います。

─ 身につけた武器ベストスリーは?

1つ目は、一生懸命ご飯を食べるということ(笑)。冗談のように聞こえますが、本当です。実は自分の担当するお客さんは凄くご飯を勧めてくれるんですが、とことん食べるのが礼儀です。食べきれないほど勧められますが、食べると喜んでくれますね。船の世界は凄く人情味のある方が多いです。

もう一つの武器は忍耐強いことでしょうか。前職でも大変な仕事は多くありましたが、更に鍛えられています。船は24時間世界中を航行していますので、事故やトラブルはいつ起きるのか分かりません。現地で昼間に起きたとしても日本は深夜だったりします。そういう経験を経て、忍耐力は身につけていったような気がします。

用船契約は5年以上のものも多く、その契約期間中に色々な問題が起こります。例えば、貨物を積んだら火災が発生したという連絡が来たりします。小規模で大事に至らなければ、メールや電話での対応で済む場合もありますが、深刻な場合は直接現地に行って問題解決にあたる必要が出てきます。

僕は今は主に営業を担当していますが、問題が起きたときは運航の担当者と一緒に解決にあたったりしています。トラブルは大変ですが、お客さんとの日頃のおつきあいがトラブル解決に生きることもありますね。これは日本に限らずアジア、ヨーロッパなど、いろんな地域のお客さんに言えることではないかと思います。

─ 高野さんは赤ちゃんが生まれた時にお客さんからお祝いを貰ったりしているそうですね?

担当しているお客さんとは、すごく仲良くさせて頂いてます。地元の食べ物を送って頂く事もしばしばです。前職では飛び込みの営業がメインだったので新規のお客さんが多かったですが、今は逆に、信頼関係を築いて長期に亘りお付き合いさせて頂くような関係です。家族ぐるみで仲良くして下さるお客さんもいて、それがこの会社に入ってできた一番の財産ですね。例え仕事を辞めても定期的に会いに行きたいなと思う方々です。そんなコミュニケーションの考え方が、東洋船舶で身につけた武器の一つかも知れません。

─ 船のオーナーさんてどのような方なんですか?

日本も海外もですが、船主さんは先祖代々ファミリー企業でやっている方が多いです。昔海賊がいたと言われているエリアに多いですね(笑)船の貸し借りの事を「用船」と言いますが、そういった船主さんの保有する船について、用船や売買の相談にのらせて頂いたり、ご提案させて頂いたりしています。もちろん大手企業の船主さんもいます。

船主さんにとって、船は我が子同然ですので、用船に関してはいろいろと大変なこともあります。例えば、インド洋から地中海に行くときに、ソマリア沖という海賊がたくさん出るエリアがあります。船の持ち主である船主さんは危険なエリアだからなるべく通りたくないわけです。安全な喜望峰回りを希望します。一方、船の借主である用船者さんはソマリア沖を通ってヨーロッパに向かう方が日数も費用も抑えられます。勿論そのまま通るのは難しいので、例えば傭兵(武装兵)を乗せるとか、船の周りに有刺鉄線をつけて海賊が登って来れないように対策するので、ソマリア沖を通らせてほしいという話になります。ソマリア沖を通るか、安全な遠回り航路で行くのか、僕らは仲介者としてオーナーさんの資産を守りつつ、船を使ってくれる用船者さんのニーズにも応えるべくうまくまとめるよう頑張っています。

─ 仕事関係でいった国で印象深かった、例えば港町とかは?

技術関連や荷役に携わる場合はその船の現場に行くことが多いと思いますが、僕は営業の人間なのでお客様の事務所があるところに行くことが多いですね。事務所が港町にあることもありますが、ロンドンとかジュネーブなどの都市にもあります。スイスなんて海に面していませんが、実は船の会社もあったりします。全体としては比較的海の近くの街にあることが多いですね。

この1年間は、シンガポールとフィリピンによく出張していました。海外出張は年に2、3回行っていますが、僕はもともと外に出たいタイプなので、これからはヨーロッパのお客さんもどんどん訪問したいと思っています。

出張に関しては、理にかなった目的があり、それを上司にきちんと説明できれば、入社1年目であってもどんどん挑戦させてもらえる雰囲気です。

─ 東洋船舶に入る前と入った後のイメージで違った部分はありましたか?

世界中への大きな広がりが凄くある、色々な事ができそうだな、という感じだったでしょうか。正直のところ、入社当時は具体的にはイメージが出来ず、ただ漠然とグローバルな仕事が出来るのだろうなと思っていました。

実際入ってみると人情に篤い人が多いし、意外なことも多かったですが、一方で以前は新聞やニュース番組でしか関わりのなかった世界の情勢に直接触れるようなことも増えて、グローバルな仕事がより具体的に感じられるようになりました。海賊の話なんて、以前なら全く別世界の話でしたし。

船の世界は世界の動向を肌で感じられるというのが魅力だと思います。船のビジネスにはファイナンスがつきものですし、日本のお客さんは常に円ドルのレートを気にしています。どこかの国の経済が動けば、そこに向かう船の動向も左右され、各国が協調して海賊退治を行えば船の航行エリアも変わってきます。そういった話題に関わる以上、金融知識や、為替、法律や政治経済等々、広くアンテナを張って勉強をして知識をつけておく必要があります。そういう意味で、いろんなことが広く深く学べる仕事だと思います。逆に学ばないと、業界の動きについていけないということもありますね。

─ ちょっと軽い話題で、会社での過ごし方はどのような感じですか?

僕は子どもが起きる時間に合わせて、毎朝6時45分に起きています。子どもと一緒に起きて、少しですが一緒に遊び、9時には出社します。通勤電車の中でざっとメールを確認し、オフィスについたらすぐに返信しています。午前はお客様との面談に行くことも多いですね。

─ お昼は?

愛妻弁当です (笑)。昼食はお客さんとの会食もよく入ります。

午後は、16時くらいまでデスクワークをし、お客さんとの打合せや会食がある日は外出します。夕方以降はヨーロッパのマーケットが開くので、会社で海外のお客様とやり取りすることも多いです。ロンドンとの時差は9時間(夏だと8時間)ですので、日本の16時は現地の朝7時になります。現地からのメールや電話が来始めるので、夕方からまた次のスタートが始まるような感じです。こういう時は国際的な仕事をしている実感がありますね。

─ これからのキャリアを考えている人にメッセージ

どんな仕事もですが、向上心や意欲が大事だと思います。為替にしろ税制にしろ、お客さんは真剣に考えているので、こちらはそれ以上のレベルで真剣に学んで相談を受けられるようにならないといけない。日々学ばないといけないと思っています。

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